牛首紬の機械織りは偽物か?牛首紬の魅力と現状
目次
日本三大紬の牛首紬
大島紬、結城紬ときたら、次は「牛首紬」ですよね。
何しろ日本三大紬ですからね。
私が、初めて牛首紬を見たのは、27年位前だと思います。
店長になって少しした頃、お店で牛首紬展を開催しました。
当時はバブルの頃だったので、1000万位売れた記憶がありますね。
牛首紬は、大島紬、結城紬と違って、初めて聞く人もいると思いますので、
簡単に説明しますね。
牛首紬は、石川県の白山市白峰で作られています。
源氏の落人が、売物にならないくず繭の「玉繭(双子の繭)」を自分たちの着物として織ったのが始まりと言われています。
元々は先染めの紬でしたが、昭和の時代になって、京友禅の染紬として売り出し、
大ヒットしました。
また、ダム建設のために牛首村全体が湖に沈んだことも、アピールになりましたね。
たしか、アサヒグラフで特集されていたと思います。
そして、昭和63年に石川県指定の無形文化財に指定され、
しかも、芸能人が舞台衣装などで着始めるとますます人気が出て、幻の紬と呼ばれていましたね。
牛首紬について詳しいことは、ネットで検索するといろいろ情報がありますので、
興味がある人はググッてみてくださいね。
牛首紬訪問着の写真
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牛首紬の特徴
ここでは、ザックリと特徴をお話しますね。
- 横糸に玉繭と言われる双子の繭を使っています
- 糸取りは、のべ引きです。
- 糸はたきで糸に空気を含ませます
横糸に昔はクズ繭と呼ばれていた「玉繭(双子の繭)」を使っています。
双子の繭なので、少し太めで節が目立ちますが、糸は大変丈夫です。
元々は、地元に人が自分たちの普段着のために、
クズ繭を使って織り上げていました。
今では貴重な糸になりますね。
糸を繭から取る方法は、
グツグツ熱いお湯の中で煮ながら糸を引き出す「のべ引き」です。
暑いお湯の中に直接手を入れて糸を引きますから、大変です。
全て手作業で行われています。
そして、その糸を「糸はたき」という作業で糸に空気を含ませます。
糸に空気が含まれることによって、しなやかで丈夫な糸になります。
このような糸を使用しているので、「釘抜き紬」と呼ばれるほど強い生地になるのです。
昔、白山工房にお伺いしました
17年位前に、牛首の織元である「白山工房」までお伺いして、
作業工程を実際に見ました。
また、組合の会長さんのお話も聞き、
牛首紬に対する熱い想いも聞いてきましたね。
そのお話を聞いて、思わず、私も牛首紬の着物を作ってしまいました。
先染めの男物の無地ですが、今ではめったに見ない着物です。
牛首紬の織り方
- 先染めは生産量が少ないです
- 後染めは、カジュアルからセミフォーマルまでOK
自分たちの普段着を織っていた頃は、全て先染めでしたが、
今はほとんどの商品が後染めになっています。
一部、男物の無地や鰹縞(かつおじま)など縞柄を先染めで織っています。
後染めよりも生地がしっかりしていて、通の方は一枚欲しい着物ですね。
基本的には京友禅で染めています。
20年位前は、京友禅の作家物もありましたが、
今は牛首紬自体が少ないので、
作家物はめったに見なくなりましたね。
後染めのメリットとしては、色無地や訪問着や小紋なので、
華やかさがあり、着る範囲が広いことです。
お茶の先生や芸能人、舞台女優も好んで着ているそうです。
牛首の訪問着なら、結婚式の披露宴でも着ていけますよ。
また、釘抜き紬と呼ばれるほど丈夫にも係わらず、
綸子のようなしなやかさ、柔らかさがあり、着ていて疲れない着物です。
昔は、呉服屋も牛首紬の羽織を着たら一人前と言われたそうです。
私は着物しかないので、まだまだ一人前になれませんね。
牛首紬の機械織り
そんな牛首紬ですが、織り手が少ないのが原因だと思いますが、
最近は、機械織りもあるようですね。
しかし、機械織りと入っても牛首紬なので、
言われないと分かりません。
白山紬と牛首紬の違い
機械織りで有名なのは、「白山紬」です。
白山紬と牛首紬の違いは、プロなら触っただけで分かります。
白山紬は、ペラペラして生地が薄くて固めです。
牛首紬は、しっとり柔らかく白山紬より生地が厚く感じます。
牛首の機械織りは、最終工程のみ機械織りなので、
白山紬の機械織りとは全く違います。
ちなみに、牛首の織元は加藤機業場と白山工房の二軒ありますが、
機械織りは白山工房の一部の商品だけです。
見分け方は、白山工房の証紙で、
牛首紬と印刷してある上に「手挽き糸」と印刷してあるものが機械織りになります。
牛首紬の夏物
牛首紬は、夏物もあります。
透け感がある「夏牛首紬」です。
もちろん真夏も着られますよ。
夏牛首紬の写真
アマゾンで販売しています。
牛首紬の帯について
また、帯もあります。
以前は袋帯ばかりでしたが、最近は名古屋帯もありますね。
おしゃれ着用の染帯と訪問着などフォーマルでも締められる金彩を使用した染帯があります。
値段は高いですが、着物よりも数が少ないので、幻の袋帯ですね。
幻の紬、日本三大紬牛首紬
大島紬、結城紬と作ったら、日本三大紬の牛首も手に入れてくださいね。
お値段は、小紋で生地価格30万円位から、
訪問着で生地価格50万円位からです。
お店によって多少お値段が違いますよ。
ネットが一番安いですね。
ただ数が少ないのと実際手にとって見たり、自分に合わせられないので、不安はありますね。
最初の一枚は、牛首紬の小紋がお勧めです。
訪問着や先染めよりも価格も手頃で、着ていく範囲が広いです。
まず、牛首紬の着心地の良さを楽しんでくださいね。
今回は、「牛首紬の機械織りは偽物か?牛首紬の魅力と現状」についてお話ししました。
疑問や質問があれば、気楽にお問合せくださいね。
それではまた〜(^O^)/