紬ファンなら一枚は欲しい着物、能州紬と小千谷紬って?

日本三大紬である「大島紬」「結城紬」「牛首紬」の他にも紬はいろいろあります。

私の好きな紬は、「能州紬」と小千谷おぐにの「くるまや工房」の紬です。

下記の写真は能州紬のすくい織訪問着です。

出展:能州紬: 絲藝苑

出展:能州紬: 絲藝苑

能州紬について

能州紬は、もともと某高級呉服店が主に販売していましたが、
今では、その他の呉服店でも販売しているようですね。
能州紬に関しては、ネットでもかなり情報がありますので、
詳しく知りたい方は、グッグってみてくださいね。

能州紬は、読んで字のごとく、能登半島の輪島市で作られています。
私は、3回ほどお伺いして、現場を見たり、お話を聞いてきました。

能州紬の特徴

西陣の織元であった「上島洋山」が能登に移り住み、
そこで海藻で染めた糸を開発しました。

西陣織の技術を活かした「すくい織り」技法で織っている紬の訪問着が有名です。

すくい織は、おしゃれ帯によくある技法ですが、
着物には珍しい織り方です。
技法的にはつづれ織りと良く似た織り方です。

下絵を見ながら、横糸で縦糸をすくって柄を作ります。
つづれ織りと同じように裏地に糸が渡らないので、
平織りのように見えます。

下絵を見ながら、織り手の感覚で織りますので、
全く同じ柄は作れません。

糸は、真綿系の紬糸を海藻で下染めし、草木染めを施します。
その糸で織った生地は、
艶と光沢があり、しなやかで丈夫な生地になります。

すくい織は、訪問着になるので、
紬とはいえセミフォーマルまでお召しになれます。

この世に一品のすくい織り訪問着なので、
「一品手繍(てすくい)」と言っていました。

お値段は、200~300万が多かったですね。
だいぶ手が込んでいると、400万位しましたね。

でも、それだけの価値がある逸品ですね。

能州紬は、すくい織以外に無地や縞、格子などもあります。

下の着物は、すくい織の訪問着です。リサイクル品ですが未使用なので、寸法が合えばお得ですね。
帯もすくい織の名古屋帯です。すでに売り切れになっています。

 

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能州紬螺鈿コート

また、螺鈿(らでん)コートと呼ばれるコート地は、
貝殻の螺鈿のような光沢があり、後染めのように見えるぼかし柄ですが、

裏表がない先染めのコート地で、雨コートと兼用で作る人が多かったですね。
お値段が10万円位と手頃なので、良く売れましたよ。

私が作った能州紬は、紺の無地ですが、
色に深みがあり、生地も光沢があり、地厚でしっかりしていますね。
下前衽に「上島洋山」と織で名前が入っています。

たしか40万円位だったと思います。

単衣で作りましたが、真綿ですごく温かいので、
夏以外は一年中着られますよ。

能州紬は、もちろん帯もあります。

帯は、すくい織の袋帯がメインです。
軽くて柔らかくて締めやすそうな素晴らしい帯です。

着物も帯もお値段が高いので、
なかなか手が出るお品ではないですが、
もし、チャンスがあったら自分の物にしてください。

後悔しない着物ですよ。

くるまや工房の着物について

くるまや工房は、小千谷の小国町でお父さんと息子さんが主になって紬を作っています。

小千谷というと、縮(ちぢみ)が有名ですが、小千谷紬は、250年前から作られており、
昭和50年には、伝統的工芸品に指定されています。

くるまや工房の着物は、小千谷紬の技術を継承している伝統的な商品と
独自性あふれるオリジナルな商品がありますね。

小千谷紬は、真綿手紡ぎ糸と牛首紬で使われている玉糸で織っています。
柄付けは、横糸に色を刷り込む「手摺り込み」で、精巧な柄ができます。

 

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オリジナル商品は、柿渋染めと松煙染めです。

どちらも、生地を染める技法としては昔からありますが、
くるまや工房は糸染めで柿渋と松煙を使います。

柿渋染と松煙染は、くるまや工房だけのオリジナルです。

なぜかというと、ここでなければ、その染色が出来ないからです。

くるまや工房が使用する地下水は、鉄分が異常に多く含まれています。
自宅前の道が、赤茶色になっているほどです。
その水を使って媒染するので、くるまや工房の柿渋染めが出来るのです。

色は、柿渋と鉄紺を混ぜたような深みのある色です。

また、松煙染は、本松煙染と呼び、松煙を混ぜた水で糸を揉みながら染めています。

これもまた、くるまや工房のみの技法です。

出来上がった商品は、渋めだけど地味ではなく、オシャレ感がある関東向けのお品です。

また、つなぎという技法で織った横段の総柄の着物は、
一反の横段が全て違う柄で織られています。
同じ商品は出来ない、この世に一つの逸品物です。

柿渋染、松煙染、つなぎ織とも50万円以上しますが、
それ以上の価値がある素晴らしい商品だと思います。

それ以外にも、縞や格子など気軽に着られる手頃な価格の商品も作っていますよ。

越後おぐにの「くるまや工房」は、
紬ファンならぜひ一枚はお持ちいただきたいですね。

今回は、「紬ファンなら一枚は欲しい着物、能州紬と小千谷紬って?」でした。

疑問や聞きたいことがあれば気楽に質問してくださいね。

それではまた〜(^O^)/