着物の種類 50代の紬ファンに琉球絣と久米島紬
琉球は、染織伝統工芸の宝庫です。
目次
染織の伝統的工芸品は12品目あり、日本一です。
これは、
- 琉球王朝が高度な文化を有したこと。
- 職人の保護と技術の向上に努めたこと。
- 島ごとに違う文化、植物、技術があったこと。
- そして規模が小さいため、生産量が少なく、
貴重な織物が多いことも大きな理由です。
琉球の伝統的工芸品琉球
織り物
- 首里織
- 読谷山花織
- 与那国織
- 知花花織
- 琉球絣
- 芭蕉布
- 八重山上布
- 宮古上布
- 久米島紬
- 読谷山ミンサー
- 八重山ミンサー
染め物
- 琉球紅型
以上12品目あリます。
今回は、琉球絣と久米島紬についてお話ししますね。
琉球染織でまず、お薦めは、
生産量が多く、手頃な価格からある琉球絣ですね。
琉球絣の特徴
沖縄本島の南風原(はえばる)町で作られている絣の着物です。
インドから東南アジア各地に広がった絣が14~15世紀ごろ沖縄(琉球王朝)に入りました。
その後、沖縄の風土や気候に合った独自の柄で発達していきました。
本格的に生産されるようになったのは、大正時代に高機が導入されてからであり、
現在も木製の高機で製造しています。
沖縄の織物では、珍しく大島紬のように分業体制が確立されており、
それぞれの工程を専門の職人が担当しています。
このような体制で製作されているので、沖縄の絹織物としては一番生産量は多いです。
柄の種類だけで600種類以上あると言われており、
ツバメの柄や犬の足跡など生活に密着した柄が多いですね。
素朴な柄が、何とも言えなくステキですよ。
久米島紬とともに日本の絣のルーツと言われている織物です。
昔は、琉球藍で染めた紺地に白絣が多かったが、
今は化学染料で染めている物もあるので、グレー、金茶、ベージュ、紫などいろいろあります。
南風原町に琉球絣の施設があリます。
織りの体験や工程の説明などがあり、琉球絣の全てが分かりますよ。
琉球かすり会館 南風原町観光サイトはこちらをクリックしてください。
正絹 本場琉球かすり 反物(手おり)
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夏用の壁上布
壁糸を使用した夏の琉球絣です。
上布という名前ですが、麻ではなく絹糸です。
壁糸は、撚りを強く掛けた糸と撚りを掛けていない糸を合わせて凹凸のある糸を作り、織り上げます。
表面に凹凸があるため、肌にくっつかずにシャリ感がある着心地です。
薄い生地だけど張りがあり着心地抜群なので、夏の着物として人気があります。
お値段は、琉球絣、壁上布とも買いやすいお値段で、初心者にも手が届く価格です。
琉球染織の着物の入門編としてお勧めします。
【夏物】【本場琉球かすり】正絹手織り琉球壁上布着尺伝統的工芸品 大城豊「トーニー・ビーマ」(薄クリーム色)
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久米島紬について
久米島紬は、12年前の平成16年に国の重要無形文化財に指定されました。
絹織物の重要無形文化財としては、結城紬に次いで2番目になります。
重要無形文化財に指定されてから、人気が上がっており、もちろん値段も上がっていますね。
琉球絣とともに絣のルーツと言われています。
絣は、久米島紬から大島紬、結城紬と北上していったという話ですね。
久米島紬の特徴
一人が全ての工程を行って一反の着物を作る、ということが一番の特徴ですね。
他の紬にはありえないことです。
琉球絣、大島紬は、完全に分業です。
結城紬も、全て一人で出来る人はいますが、基本は分業制です。
経糸が生糸、緯糸は結城紬と同じで真綿から紡いだ糸を織っています。
その糸を天然の草木、泥によって染めていきます。
大島紬と同じように鉄分の多い泥で焙煎して染めますので、色は黒褐色になります。
仕上げに「きぬた打ち」といって杵(きね)で生地を打ち付けます。
結城紬も、染料を浸透させるために、たたき染めといって生地を地面に叩きつけますね。
このように、久米島紬は、近代化、合理化をせずに伝統的な技法で製作している事で
重要無形文化財に指定されたと思われます。
柄は、琉球絣と同じように、ツバメなどの動物や日用品など、
生活に密着した柄が多いですね。
素朴な柄でステキです。
久米島紬は、重要無形文化財に指定されてから多少価格は上がりましたが、
着物ファン、紬ファンには、一枚持って欲しい着物ですね。
琉球染織の伝統的工芸品は、それぞれについてまたお話しますね。
【本場久米島紬着尺】手織染料:泥染め「御絵図散らし・黒褐色」☆現品限りの特価!
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花織についてはこちらをご覧くださいね。