着付け教室はどこを選んだら良いか?

着付け教室について

私は、3年間着付け教室の学苑長をやっていたので、

着付け教室についても内部事情を含めてイロイロ詳しいですよ。

有力着付け教室が会員である「全国和装学院連絡会」という組織にも属しており、会議にも参加していました。

市田ひろみさんが会長でしたね。

市田ひろみさんのお話で一番印象的だったのは、5月の会議の時に市田ひろみさんが単衣の着物で参加しました。

単衣は本来6月に着る着物です。

そこで会議に参加している会員さんから「市田先生、単衣をお召しになっていますが、

5月でも単衣でよろしいのでしょうか?」と質問がありました。

そこで、市田ひろみさんは「そんな昔からのルールに縛られてはいけません。

今は地球温暖化ですし、暦だけでなくその日の気候に合わせて着物は着ればよろしいです。

特に京都は熱いですから。」というような事をおっしゃっていました。

皆さんうなずいて「そうですね~」と納得していました。私も、「さすが!市田ひろみさん、説得力が違う」と思いましたね。

着付け教室の学苑長だった3年間もいろんな経験をして、今の知識に生きています。

着付けの自装の練習

着付け教室の種類

着付教室と言ってもいろいろな経営形態があります。

その経営形態によって、特色が大きく違います。

  • 着付け教室がメインの会社が運営している教室

大手の着付け教室はこの形態です。

無料着付教室の日本和装やハクビ、長沼静、装道が有名ですね。

  • 着付け教室以外の母体が運営している

呉服屋さんが運営している着付教室が多いですね。

さが美や鈴乃屋、まるやまが母体となっている着付け教室があります。

  • 個人が教えている着付教室

着付け教室を開くのに資格は必要ありませんが、

卒業した着付け教室の看板を持っていることが多いです。

  • 着付けのサークルもしくはNPOなど

公民館などで開催していますね。

大体この4つのタイプに分かれます。

振り袖を着せ付けている写真

4タイプの着付け教室の特徴

着付け教室が母体で運営している教室

着付け教室と着付け収入がメインで運営していますので、料金が高いです。

資料にない免状料や勉強会などの費用が掛かります。

また、入学すると卒業まで時間もかかり、総トータルに支払う金額は、高級乗用車位と言われています。

しかもほとんどの教室は、展示会などの販売会を行っており、その売上も大きな収入源になっています。

特殊な器具を使う教室は、入学時に一式揃えることになります。

メリットは、着付け師、講師になる道がある。自宅で着付け教室を開くことが可能です。

ハクビや装道、長沼静などは、着付け教室のブランドです。

このグループの中でも異質なのが、無料着付教室の日本和装です。

日本和装は、全て無料でお金が掛かりません。しかし、テレビCMが出来るほど利益が出ています。

その理由は、無料授業の中にセミナーと呼ばれる販売会があり、

ほぼ強制的に出席させられ、買わされるそうです。

その販売から得られる紹介料が大きいらしいですね。

また、日本和装の着付けカリキュラムはなく、着付けの教え方も先生次第と言われています。

着付けの練習の写真

最初だけ無料コースがある着付け教室があります。

そこで卒業した人が講師募集に応募したので技術を見ましたが、ひどいレベルでした。

そこの着付け教室では、毎回留袖の着付けをしていたそうです。

理由は留袖が出来れば何でも出来るから、と言っていました。

結局その方は、当学苑に入学し勉強し直して、講師になりました。

また、大手の着付け教室で着付け師になっても仕事はほとんどなく、成人式の時でも呼ばれない人がいるらしいです。

着付け師が多いという事と先生に気に入られないと仕事を回してもらえないそうです。

まだまだいろいろありますが、これは着付け教室が母体の教室全てに当てはまる事ではありません。

でも、間違いなくお金が掛かるので、余裕がある人向けです。

料金を安くして、良心的にやっていたら、すぐに倒産しますからね。

ネットの掲示板などを見るとスゴイ内容が暴露されていますよ。

結論

青山着付け学院の評判が良いですね。

生徒さんを何人も知っていますが、皆さん満足度が高いです。

着付けの技術だけでなく産地研修や座学もあり、楽しそうですね。

展示会はありますが、商品を買わされることもないようです。

無料着付け教室はお勧めしません。

ただより高いものはないですからね。

着付け教室は、どこで習うか?も大事ですが、誰から習うか?が一番大事です。

ひどい教室でも良い先生に当たれば、良い教室の悪い先生よりも自分にとって良いはずです。

先生との相性が大事ですね。

体験入学などでいろいろ試してみるのも良いですね。

3人で着物を着て歩いている

呉服屋などが母体となっている着付教室

本業があるので、どこも概ね評判が良いですね。

ただ、着ることに特化した着付け教室が多いので、人に着せたり、講師になったりという事が出来ない教室が多いです。

あくまで、販売の補助的な役割を持った教室ですね。

呉服店などが母体になっている着付け教室は、どこも手結びで教えています。

着付けを習うなら手結びが一番ですね。

その中でも、さが美と鈴乃屋は、着付け師、講師、自宅で着付け教室が出来る道があります。

また、どちらも振替できるので、OLの方や忙しい方は安心ですね。

料金は、着付け師、講師になる、もしくは自宅で着付け教室を開くとしたら、

着付け教室が母体の教室よりも総トータル金額はかなりお安いですね。

特に、さが美は、卒業の免状料(看板代)154,200円(税込)まで明細が出ていますので安心です。

私が調べた中では、免状料を含めると一番安く、着付け師、講師になれて、自宅で着付け教室が開けますね。

さが美の短所は、卒業まで時間が掛かる事とあまり使わない技術までカリキュラムに組み込まれている事ですね。

鈴乃屋の方が卒業までの授業時間は短いです。また、早く卒業できる速習の短期コースもありますね。

卒業までにかかる金額は、看板代が明記されていないので分かりません。

ちなみに、免状料(看板代)は20万円~100万と言われていますが、さが美以外の大手着付け教室はその金額は記載させていません。

留袖を着せている着付け師

個人が教えている着付教室 サークルや地域のNPO

この二つは、どちらも同じような感じですね。

料金は安いが、着ることがメインです。

着付けを教えるのに資格は必要ないので、先生の技術が問題です。

初心者には上手かどうか判断できませんからね。

技術がそこそこで相性が合う先生に出会えれば良いですね。

個人やサークルが気楽に覚えるには一番適しているかもしれません。

着付け師のイラスト

なぜ着付けを習うのか?

それぞれに長所、短所がありますが、着付け教室を選ぶ際に一番大事なのは、

「なぜ、着付けを習いたいのか?」です。

  • 自分で着られるようになりたい
  • 着物友だちが欲しい
  • 着る機会が欲しい
  • 日本文化を勉強したい
  • 娘に着付けをしてあげたい
  • 着付け師になりたい
  • 着付けの講師になりたい
  • 着付け教室を開きたい

それによって選ぶ着付け教室が変わってきます。

なぜ、着付けを習いたいのか?と自分に質問してくださいね。

教室を選ぶ優先順位は?

その次に大事なことは、着付けを習う理由に関係しますが、貴女の優先順位です。

  • 料金、費用
  • 販売会の有る無し
  • カリキュラムの内容
  • 期間
  • 受講システム、振替可能、チケット制など
  • イベント、パーティーやお出掛け会など
  • 将来の道 着付け師、着付け講師、着付け教室開講

その優先順位によってどの着付け教室を選んだら良いか?
ということで候補を上げることが出来ます。

詳しく知りたい方は、気軽にお問い合わせくださいね。

浴衣の着付けの写真

代表的なパターン

  • 自分で着られるだけで良い。

料金は安い方が良い。
販売会で売られるのはイヤ。

呉服屋が母体の着付け教室か、販売をしない個人の着付け教室、
公民館などで行っている着付けサークルです。

おススメは、ワンコインレッスンを行っている
「銀座一利」「一瑠」とチケット制の「ワノコト」がおススメですね。

無料着付コースや無料着付教室はやめましょう。
タダより高い物はありません。

タダで覚えるなら、図書館で着付けの本を借りて、
ユーチューブで覚えた方が良いですね。

  • 着付け仲間や着物友だちが欲しい、着る機会が欲しい。

自分で着物を着られるようになりたい、着物を着る機会が欲しい。

生徒同士で着物を着てお出かけしたい。

そんな方には、決まった曜日時間に授業がある教室がお勧めです。

授業が同じメンバーだと仲良くなりやすいです。

また、座学や産地研修があれば良いですね。

青山着付け学院がお勧めです。

  • 自分の子供や知り合いに着付けをしてあげたい。

どこの着付け教室に行っても、まず自分で着ることから学びます。
人に着せるまでいくには、1年以上かかる所が一般的です。

マンツーマンコースかプライベートコースを選ぶと高いですね。

さが美、鈴乃屋、青山着付け学院で本格的に習ったら良いと思います。

  • 着付け師、講師になりたい

着付け師も講師も、大手の着付け教室を卒業しないと仕事が無いですね。
母体が呉服店のさが美と鈴乃屋と青山着付け学院がおススメですね。

費用も安く、着付けし、講師としての道もきちんとしているようです。

  • 自宅で着付け教室を開きたい

これも、さが美がおススメですね。

卒業すると「分校制度」があり、さが美のサポートを受けながら自宅で開けるようです。

費用も良心的ですよ。

以上で着付け教室についての私の考えを終わりますね。

もっと、突っ込んだ事も言いたいのですが、あまり暴露するとヤバいので、この辺にしておきます。

何か質問があれば、本音でお答えしますよ。

着付け教室のイラスト

代表的な着付け教室

【着付け教室が母体になって運営している】

ハクビ京都きもの学院
長沼静きもの学院
きものレディ着付学院
日本文化きもの学院
装道礼法きもの学院
彩きもの学院
青山きもの学院
美保姿きもの学院
花 京都きもの学院
小林豊子きもの学院
民族衣装文化普及協会
山野流着装

NPO日本文化普及協会

<前結びを教えている着付教室>
美装きもの学院
きの和装学院

<無料着付教室>

日本和装

【呉服屋などが母体になって運営している】

さが美きもの文化学苑
鈴乃屋きもの学院
一瑠着方教室
銀座いち利
ワノコト着付け教室
きものカルチャー研究所
典雅きもの学院