プロが教える着物を高く売る方法
目次
着物の買取について
先日、お店で着物買取をしました。
期間は1週間だったのですが、
250枚位集まりました。
1枚500円の買い物割引券と交換します。
ですから、500円で買い取るのではなく、
割引券ですから、商品を買わなくてはいけません。
2000円につき1枚使えます。
2000円のものが1500円で買えるということです。
多い人は、20枚位持ってきました。
毎年行っているのですが、
毎年200~300枚集まりますね。
持ち込まれた着物の中には、
しつけがついた未使用品もありますし、
一度しか着ていない訪問着などもありました。
着物の買取ショップに出しても
2~3,000円で引き取りそうな物も多数あります。
一応確認のためにお客様に、
「この着物、本当に500円の割引券と交換しても良いんですか?」確認すると、
「着物は、捨てられなくてね。引き取ってもらえるなら、タダでもいいんだよ」というような答えです。
でも、中には「売りに出したいけど、どうしたら良いのかわからない」という人も何人かいました。
そんな訳で、
要らない着物を高く売る方法をお話しますね。
着物を高く売る方法
それでは、高く引き取ってもらうにはどうしたら良いか?
この事を知りたい人も多いと思います。
着物の引取の相場は?
全て状態が良く、寸法大きめの商品の相場です。
訪問着 8,000円~22,000円
付下げ 3,000円~12,500円
色留袖 8,000円~12,000円
黒留袖 6,000円~12,000円
振袖・帯・長襦袢セット 10,000円~40,000円
小紋 3,000円~7,500円
色無地3,000円~5,000円
羽織・道行コート 5,000円~10,000円
長襦袢 1,000円~2,000円
袋帯 3,000円~7,000円
名古屋帯 2,000円~4,000円
紬 2,000円~7,000円
人間国宝の着物や作家物は高く売れます。
無形文化財や伝統工芸品の着物は高く売れます。
重要無形文化財の染織
重要無形文化財の着物や帯は高く売れます。
ただし、証紙が無いと判断出来ない着物や帯もあるので、証紙があった方が良いです。
証紙が無い場合でも伝票など証拠があれば良いです。
伊勢型紙 – 「伊勢型紙技術保存会」
喜如嘉の芭蕉布 – 「喜如嘉の芭蕉布保存会」
久米島紬 -「久米島紬保持団体」
久留米絣- 「重要無形文化財久留米絣技術保持者会」
宮古上布 – 「宮古上布保持団体」
結城紬 – 「本場結城紬技術保持会」
小千谷縮・越後上布 – 「越後上布・小千谷縮布技術保存協会」
伝統工芸品の染織
国が認めた「伝統的工芸品」も高く売れる可能性が高い商品です。
こちらも、証紙があると高く売れます着物や帯もあります。
染め物
東京染小紋 (東京都)
東京手描友禅 (東京都)
有松・鳴海絞 (愛知県)
名古屋友禅 (愛知県)
加賀友禅 (石川県)
京鹿の子絞 (京都府)
京友禅 (京都府)
京小紋 (京都府)
京黒紋付染 (京都府)
琉球びんがた (沖縄県)
織り物
置賜紬 (山形県)
結城紬 (茨城県、栃木県)
本場黄八丈 (東京都)
塩沢紬 (新潟県)
小千谷紬 (新潟県)
小千谷縮 (新潟県)
本塩沢 (新潟県)
牛首紬 (石川県)
近江上布 (滋賀県)
弓浜絣 (鳥取県)
博多織 (福岡県)
久留米絣 (福岡県)
本場大島紬 (鹿児島県)
久米島紬 (沖縄県)
宮古上布 (沖縄県)
読谷山花織 (沖縄県)
読谷山ミンサー (沖縄県)
琉球絣 (沖縄県)
首里織 (沖縄県)
与那国織 (沖縄県)
喜如嘉の芭蕉布 (沖縄県)
八重山上布 (沖縄県)
八重山ミンサー (沖縄県)
相場以上に高く買ってもらうためには?
基本的な考え方は、売りやすい着物は高く買い取りますし、
売りにくい着物は安く買い取るか、買い取らないですね。
まず、買い取らない着物についてお話しします。
買い取らない着物とは?
下記のような着物を売りたい場合は、いくらでも、売れたらラッキーと思ってくださいね。
素材や経過年数
- ウールの着物は売れないので、買い取らないお店が多いですね。
- ポリエステルの着物も引き取らないお店が多いですね。
- 木綿の着物も古い着物は引き取らないお店が多いですよ。
- 10年以上前の着物は作家物や希少な紬など価値がある商品以外引き取らないですね。
着物の状態
- カビが付着しています。
表地にカビが発生しています。
濃い地色は、ポツポツ白いシミ、汚れがあります。
薄い地色は、黄色、ベージュ色のシミがポツポツあります。
裏地にカビによる黄変があります。
裏地がまっ黄色だったら売り物になりませんね。
ポツポツ黄変していても厳しいですよ。
カビは菌ですから、さらに増えますので、買い取らない可能性が高いです。
- カビ臭いです。
カビの臭いは取りにくいので買い取らないですね。
カビが着物にはないのにカビ臭い場合は、消臭してみましょう。
カビ臭を撮る方法
- ドライヤーやアイロンの熱で匂いを取ります。
- 陰干しします。
- 重曹で匂いを取ります。
(大きめなビニールに着物を入れます。小さいビニールに重曹を入れます。
重曹を入れたビニール袋を口を開けたまま、大きなビニールに入れます。
それで1日放置します。臭いが消えるかもしれません。)
これで臭いが消えればラッキーです。
特に喪服、留袖の黒い着物と紬はカビが発生しやすいですね。
喪服や留袖の黒の染料にカビが好む物質が入っています。
紬は、糸をまとめる時に使う糊が湯通しでは取りきれず残っていて、その糊がカビを誘発します。
胴裏が汗が取れきれていないとカビで黄変しますね。
カビ以外の難がある場合
- 虫喰いの穴
正絹の着物は虫は食わないのですが、ウールの着物と一緒にしまっておくと
ウールについた虫が正絹も食うことがあります。
たとう紙の糊に虫が寄ってきて正絹も食うことがありますね。
穴はどうしようもないので、目立たなかったら、一応査定してもらいましょう。
- 衿や上前など目立つ所にあるシミがある場合は、安くなります。
ベンジンで落ちる汚れもありますが、素人がやると輪ジミになるので、修繕は諦めて、査定してもらいましょう。
- 身丈が短い場合は対象者が少ないため、買い取らないか安くなります。
打ち揚げに生地がある場合は長く伸ばせますが、費用が数万円かかるので、安く買い叩かれますね。
- 裄が短い場合
対象者が少ないため安くなりますが、それが理由で買い取らない場合は少ないですよ。
- 身幅が狭い場合
身幅は、ある程度決まっているので、異常に大きい場合も小さい場合も少ないですね。
ただ狭いと対象者が少なくなるので、多少広めの方が売りやすいですね。
- 袖丈が短いと対象者が少ないため安くなることがあります。
着物の寸法は大きめならなんとか着られますが、小さいと着られないので、寸法は大きめが良いですね。
- ヤケがある着物は状態によって、引き取らないか安くなります。
着物ハンガーにかけて広げて見るとよく分かります。
一度も着ていない着物でも、ガスやけ(石油暖房などのガスが引き出しに入って、着物を部分的に変色させてしまう)や
虫干しなどで日光や白熱灯でやいてしまうことがあります。
また、着用によって肩などがやけてしまうこともあります。
やけは直せないので諦めて査定してもらいましょう。
- 金箔や染料が剥がれています。
長期間の保管で湿気により、剥がれてしまうことがあります。
平成元年から平成6年位に使用されていた接着剤に問題があるため、その頃購入された金箔の商品は難が出やすいですね。
また、白い染色は胡粉が使われていたため、色が黄色く変色します。
直すのは色を指すしかありませんね。剥がれや変色も素人には治せないので、諦めましょう。
- たたみジワが多いと安くなります。
持って行く前に、シワを伸ばすためにアイロンがけをしましょうね。
シワがあるとないのでは、買取価格を左右しますよ。
さらに高く買ってもらうために
- 残布をつけます。
残布に、産地の証紙や生地のメーカー名や作家の名前が入っている場合があります。
大島紬、結城紬、牛首紬、加賀友禅などの証紙は大切です。
保証書や作家の証明書があれば、つけましょう。
販売店や作家によっては証明書をつける場合があります。
- 当時の伝票を持って行きます。
購入価格や買ったお店が分かります。高ければ見せる、安かったら見せない方が良いでしょうね。
- 購入時のたとう紙があれば、持っていきます。
購入時期と購入店が分かります。
10年以上前の着物は引き取らない店もあるので、つけないほうが良いかもしれません。
購入店が有名百貨店なら効果がありますが、それ以外は関係ないですね。
- 着物にあった帯と長襦袢があれば、一緒に持って行きます。
単品よりも高く買ってもらえることがありますね。
査定に考慮しない店もあるので、確認しましょう。
買取店の決め方
- 着物の買取専門のお店にします。
- 出張買取かメール査定が可能な買取店で相見積もりを取って、査定価格が高い方にお願いします。
- いくらでも良い品物は宅配買取でも良いですが、お店によって値段が違うので相見積もりを取ります。
※ネットの買取の口コミサイトは、アフィリエイトという広告で収入を得るために紹介しているサイトがほとんどなので、
アフィリエイト報酬が多い買取店を上位に紹介しています。
ですから、ネットの情報を鵜呑みにしないで、何社か見積もりを取った方が良いですね。
少しの努力で買取価格が倍くらい違うこともあります。
面倒がらずにがんばってくださいね。
次回は、具体的な買取店のアドバイスをしますね。