洗える着物のメリット・デメリットと東レシルックの良さとは?

洗える着物について

洗える着物は、価格が手頃でお手入れも楽なので初心者の方には人気がありますね。

ただ、着物ファンや着物を日常的に着物を着る方は正絹がメインの方が多いです。

それは、やはり絹の着心地の良さは洗える着物ではありえないからですね。

それでも、初心者の方や雨用の着物としてニーズがありますので、洗える着物についてお話しします。

洗える着物のメリット

洗濯機に入れた着物のイラスト

  • ネットに入れて、洗濯機で洗えます。

洗える着物は、ポリエステル100%の着物ですよ。

軽く脱水をして、きものハンガーにかけて日陰で干してください。

アイロンはしなくても平気ですが、気になる部分があれば軽くアイロン掛けしてくださいね。

また、濡れても縮まないので、雨の日用に一枚あっても良いですよ。

  • 洗える着物は値段が安いです。

ピンキリですが、同じような商品なら、間違いなく正絹の着物より安いですね。

安いプレタのお着物だったら、税込6,000円以下でありますよ。

反物からの別誂えでも税込2万円でお釣りがきます。

  • 東レのシルックなど高級品は生地、染が良くなってきました。

昔のポリエステルは、ペラペラ、パリパリで見ても触っても絹とは全く違うもので、

いかにも化繊というひどい生地が多かったですね。

東レのシルックなど高級品は、生地は正絹と遜色ないですし、

染も国内の職人さんが正絹と同じような染をしているので、正絹と見間違えるほどになっていますね。

また、私のお店で扱っているお安いものでも、技術の進歩と企業努力によって生地、染とも良くなってきていますね。

  • 生地が強くて丈夫です。

洋服でも同じですが、ポリエステルは圧倒的な耐久性があります。

仕立てもミシンで仕立てるので、より丈夫になりますよ。

シワになりにくいのもメリットですね。

  • 虫食いやカビ、黄変の心配が少ないです。

ポリエステルは天然繊維じゃないので、虫食いやカビ、黄変は通常の保管状態ならありません。

洋服と同じです。

洗える着物のデメリット

  • 着崩れしやすいです。

ポリエステルの生地は正絹より重いです。

また、生地自体も多少滑りやすいので、着崩れしやすいですね。

安い生地の中には軽い生地もありますが、ペラペラで安っぽくてオススメできないですね。

  • 静電気が起きやすいです。

特に乾燥する冬場は、ゴミやホコリが裏地に付くし、足にまとわりついて裾さばきが悪いので、疲れますね。

  • 通気性、吸湿性がないので暑いです。

通気性がないので、熱がこもるし、吸湿性がないので、汗がベタベタします。

冬でもお腹や背中のあたりは汗をかいていますね。夏は、暑くて大変です。

  • 正絹と比べると生地や染の質感に安っぽさがあります。

東レのシルックは別格として、プレタの低価格商品は生地、染とも安っぽいものが多いですね。

プリント柄で、いかにもポリエステルという感じの柄です。

まあ、プレタで税込6,000円以下なので、柄が気に入れば良いと思いますが。

  • プレタの洗える着物は寸法が大きすぎます。

プレタの着物は、寸法が大きいですね。大は小を兼ねる、ということで大柄なポッチャリさん向けのサイズです。

洗える着物こそ、別誂えのマイサイズで作って欲しいですね。

サイズが合わない正絹の着物よりマイサイズの洗える着物の方がキレイに着られますよ。

洗える着物をオススメする人

  • 着物初心者、着物デビューの人

初心者は、古着よりマイサイズの洗える着物をオススメしますよ。

サイズが合わない着物が一番着にくいし着崩れしやすいので、

初心者や着物デビューのひとこそマイサイズでキレイに着ましょうね。

また、洗濯機で洗って干すだけなので、お手入れも簡単です。

別誂えの袷着物と帯で税込24,000円以下で買えますよ。

生地も染めも良い商品があるので人気がありますね。

  • お茶会などで着物を着る人

最近、お茶のお稽古は洋服の方もいますが、お茶会は着物ですよね。

お茶会で着られる一つ紋の色無地や付け下げ、江戸小紋も洗える着物で揃えられます。

もし、洗える着物で揃えるなら、生地は東レのシルックなど高級品をオススメします。

東レシルックなら、よほど目が肥えた方でないかぎり、洗える着物だとは思いません。

正絹の着物の方と並んでも、安っぽさがなく安心ですよ。

合わせる帯は、織の袋帯にしましょう。

帯次第で、着物がさらに引き立ちます。

夏のお茶会は、先生自身も洗える着物を着ている人もいるようですね。

洗える着物は、通気性、吸湿性がないので、夏場は特に暑いし、汗でベタベタします。

その場合、麻の長襦袢を着ると暑さはかなりやわらぎます。

また、麻の長襦袢は、自宅で洗えるのでお手入れも簡単です。

  • 着付けを習っている人

着付けの練習やお稽古にも洗える着物は大活躍ですよ。

その場合は、必ず別誂えのマイサイズにしてくださいね。

  • 日常的に着物を着ている人

洗える着物は、雨の日のお出かけでも安心です。

また、色柄が豊富で価格も手頃なので、洋服感覚で揃えられますね。

単衣や夏物もおしゃれな柄がたくさんあります。

  • 夏も着る機会があるけど正絹は高いので・・・

洗える着物なら、リーズナブルです。

税込17,000円位で、別誂えのマイサイズが作れます。

また、汗をかいても、自宅で洗濯できるので安心ですね。

帯もお安いものだと、名古屋帯で税込6,000円以下で買えますよ。

一式揃えても、ゆかたよりもお安いくらいです。

東レシルックについて

予算が合えば東レのシルックがオススメですよ。

洗える着物のブランド品です。

東レシルックは、洗える着物のメリットにプラスして、

  • 正絹に近い生地で、しなやかでしっとりした風合いで絹のような光沢があります。

着崩れがしにくく、見た目の高級感もあります。

  • 東レシルックの高額品は、正絹の着物と同じ染色方法なので、美しい染め上りになります。

京都の染色職人さんが、一反ずつ引き染で染めているそうです。

普通は、2反一緒に機械で染めることが多いそうです。

  • シルラック加工で撥水撥油、防汚機能、制電機能が生地にあるので、安心ですね。

普通の洗える着物は、シミや汚れがつきます。

東レシルックは、水や油をはじき、汚れを付きにくくします。

また、制電機能により静電気も軽減するので埃を吸い上げることはありません。

つまり、安いポリエステルの着物とは次元が違う着物です。

価格は、普通の洗える着物より高いですが、その価格差を上回る素晴らしい商品です。

 

最後に

洗える着物は価格が安く、仕立て上がりの着物だとすぐに着られるので、初心者にはとっつき易いですね。

プレタの着物で寸法が合う人は良いのですが、寸法が合わない方はきっと着なくなってしまうと思います。

また、袷せだと生地が重く滑りやすいので、着崩れしやすいですね。

秋冬は静電気が起きやすくバチバチいったり、まとわりつくので静電気防止スプレーは必須です。

 

その点、東レシルックは、絹に近い着心地で、静電気も起きにくい素晴らしい生地です。

価格は、正絹と変わらないくらいですが、長く着られるのでぜひ一枚お持ちくださいね。

 

それでは、貴女の着物ライフを応援しています。

また、お会いしましょうね。