着物の種類と似合うアクセサリーは?

今日は、東京プリンスホテル パークタワーに行ってきました。

「ロイヤル会」というジュエリーの展示会です。
もちろん仕事です。

ロイヤル会は日本最大級の宝飾品が中心の展示会です。
素晴らしい宝石がたくさんありましたね。

いろいろな宝石を見ながら思ったことは、
着物を着た時にアクセサリーは何をつけたら良いのか?
と悩んでいる人がいないか、ですね。

そんなことで今日は、
着物を着る場所とふさわしいアクセサリーについてお話しますね。

最初に基本的なお話しをすると、着物や帯は宝石以上に輝いています。
あえて、宝石類は身に付けなくて良いです。

でも、せっかく宝石を持っているのでやっていきたい、と思う人もいるいますので、
着る場所、着物の種類によってお話しますね。

結婚式、披露宴

留袖、色留、振袖

  • 指輪
  • 結婚指輪だけで良いです。

    着物、帯自体が宝石のように輝いていますから、
    指に輝く宝石は必要ないですね。

    翡翠、珊瑚など角がなく和の宝石なら良いですが、
    ダイヤモンド、サファイヤ、ルビー、エメラルドなどカットされた石は、
    角があるので止したほうが良いですね。

  • 指輪以外
  • イヤリングやピアスは止したほうが良いですね。
    ピアスの穴が目立つ場合は、真珠か珊瑚のピアスですね。

  • 帯留
  • 結論から言うと、帯留めをしても問題無いですが、
    留袖に帯留めはおかしいという解釈をする人が多いので、
    しないほうが良いかもしれません。

    真珠や珊瑚の帯留めなら正装にして問題無いです。
    皇室は正装の場で真珠の帯留をよくしていますね。

    真珠より珊瑚のほうが格が高いです。
    字を見れば分かりますよね。
    珊瑚は、王篇が2つついています。

    紐が細くなり三分紐になります。

  • 時計
  • 時間を気にする必要があまり無いので時計はしないほうが良いですね。

    もし、時計をするなら、金銀のベルトより、鼈甲か革のベルトが良いですね。
    金物のベルトは、袖口を傷つけることがあリます。

披露宴、パーティー、表彰式など

付け下げ訪問着、色無地、江戸小紋

  • 指輪
  • 留袖と同じですが、披露宴はパーティーですから、
    宝石を身に付けても問題ありませんね。

    あまり派手な宝石は場違いなのでやめたほうが良いですね。
    真珠や翡翠、珊瑚など和の宝石が似合います。
    赤珊瑚は、色が着物に合えば良いです。
    珊瑚はおしゃれ着用の宝石と思う人もいますが、
    珊瑚は格式が高い宝石なので、色さえ合えば平気ですよ。

  • 指輪以外
  • パーティーですから、ピアス、イヤリングも平気ですよ。
    真珠がお薦めですね。

  • 帯留
  • 真珠や珊瑚、鼈甲にお祝い柄の蒔絵なら良いですね。
    宝石の帯留めをしてもステキですよ。

  • 時計
  • 結婚式と同じく、鼈甲や革ベルトが良いですが、
    金銀のベルトでも良いですね。
    多少豪華でも良いですよ。

観劇、同窓会、お食事会、お出掛け

付け下げ訪問着、色無地、江戸小紋を着る場合は、披露宴と同じですね。

小紋、紬を着る場合

結論から言うと、おしゃれ着は何を付けようが構いませんが、
珊瑚、翡翠、鼈甲など和の宝石が合いますね。

  • 指輪
  • 小紋、紬のおしゃれ着で、
    豪華な色石やダイヤモンドをつけているとおかしいですね。

    普段付けているような、金やプラチナの指輪や珊瑚、翡翠なら良いですね。
    昔から紬には、珊瑚の指輪が似合うと言われています。

    紬が黒っぽくて地味なので、
    珊瑚の赤色が入るとワンポイントになって明るくなるからです。
    角がない丸いカットの宝石が着物には馴染みますね。

  • 指輪以外
  • ピアスやイヤリングはしても良いですが、
    シンプルなものが良いですね。
    金、プラチナ、真珠、珊瑚などがお薦めです。
    ダイヤの石だけを直接つけても良いですよ。

  • 帯留
  • 珊瑚、鼈甲が良いですね。
    フォーマル向けではなくオシャレなデザインが良いですよ。

  • 時計
  • 時計は、おしゃれ着に合う時計が良いです。
    つまり、あまり豪華な時計よりも、シンプルな鼈甲や革ベルトが良いですね。

お茶会

お茶会やお茶のお稽古には、宝石や装飾品はダメですね。

お茶の道具の方が豪華で高級ですし、
傷をつけたら大変です。

非常識になるので、全ての装飾品は避けましょうね。

裏話

皇室が、正装で真珠の帯留をする理由

今のような帯留が使われるようになったは明治時代です。
西洋では、公式の場は宝石を身に付けるのがマナーです。
着物では宝石を身に付けられないので、帯留を宝石にしたのです。
それが今でも皇室が着物を着る時に真珠の帯留を付けることが多い理由です。

紀子さまや雅子さまの結納の時は皆さん真珠の帯留を付けていましたよ。

珊瑚と真珠

珊瑚は昔から、格が高く高価なものでした。
お宝といえば、金銀珊瑚という言葉もありましたね。
珊瑚という字に王偏が2つも使われていますが、
昔は格が高い人しか持てなかったそうです。

珊瑚は、10ミリの丸玉は、何百年も経ったものでないと出来ません。
縦に1年1ミリ、横(太さ)10年で1ミリしか成長しません。
そんな貴重なものですから、庶民には手が届かない品です。

それで、庶民用の宝石として真珠が選ばれました。
真珠は養殖が出来て、1~2年で製品になります。

だから、フォーマル用の宝石としての価値が確立したのです。